
「マグロ、ワイン、日本酒…AIが目利き 10年以上かかる職人スキルを深層学習で再現」2024年2月13日、産経新聞はこう題した記事を掲載しました。
記事によれば、「『勘』と『経験』に基づく言語化できないスキルが多くの仕事で重用されており~中略~人工知能(AI)などを活用してベテランのスキルを再現したり、若手に伝承したりする取り組みが進んでいる」としています。
また、具体的事例として「スマホで撮影して品質を見極めるTUNASCOPE」「杜氏(とうじ)の90%以上の精度でにおいをかぎ分けるAIにおいセンサー」「熟練工のスキルを新人に訓練してくれるサイバーアシスト・マイスターロボット」の紹介がされています。
最近の技術の進展は目を見張るものがあります。人手不足による技術の伝承をカバーするほど「使えるレベルのAI」が表れているのです。ちなみに視覚であれば深層学習で精度が上がるのは何となく想像できますが、嗅覚の場合はそもそもどうやって嗅ぎ分けているのか。
においそのものを判別するのは非常に難しいらしく、におい分子をイオン化して電流として検出することでAIが分析可能なデータにするとのこと。何だかわかったようなわからないような… その研究姿勢には頭が下がります。
さて、人の理解度(習熟度)を測る基準の一つに、「知る→わかる→できる→教える」があります。大まかに分ければ、知る・わかるはインプットで、できる・教えるはアウトプット。人は(おそらくコンピュータも)インプットをすることは比較的容易で、アウトプットまでの溝は深い。
サッカーのルールは熟知しているがプレイはできない。料理のレシピはわかるが、実際にはつくれない。頭ではわかってもそれを実現するアウトプットはそう簡単ではありません。
とはいえ、人には頭と体があり、「わかる」から「できる」までの溝を埋める努力をすれば、ある程度まではできるようになります。特にそれが「好きなこと」であれば、溝を世界最高峰にするような、突き抜けた成果を残す可能性を“誰もが”持っています。
私は、AIは恐れるものではなく活用するものだと思っています。熟練職人しかわからなかったことを「解読」してくれれば、それを活用して職人のレベルがさらに上がる可能性があります。「巨人の肩の上に立つ」。何でもオープンにした方が進化は早まります。
誰もがわかる言葉で広げる。「言語化できないスキル」もあるのかもしれませんが、実際はできるのにやっていないことが大半だと感じています。社内にも聖域をつくらず、より早い進化で、より良い未来を目指したいものです。

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