コラムNo.723 周りを巻き込め

 先日、私の住む地域でマラソン大会が開催されました。周囲の近しい人たちが参加していたので、私も応援に行ってきました。最近では日本全国で大会が開かれてますね。2月は特にマラソンに適した時期で、SNSでも全国の大会の様子が投稿されていました。

 

 さて、マラソンは人生や仕事、会社経営などさまざまなことに例えられます。特にフルマラソンは42.195キロの距離自体もそうですが、ゴールまでの道のり、事前の練習、目標設定、チームあるいは個人の様々な出場のきっかけ、沿道の声援や出し物など、多くのコンテンツを含んでいます。

 

 つまり、ドラマが生まれやすい。多くの人の琴線に触れる出来事が起こる。人生や仕事や会社経営を凝縮したような、濃い状況が一気に体験できる。マラソンが頻繁に例えられる理由の一旦はこの辺りにもあるのでしょう。

 

 翻って、マラソンへの取り組み方は人それぞれで、その「人となり」がでるな…というのが私の印象です。

 

 練習なしのぶっつけ本番で出る人。本番から逆算して練習し万全の態勢で臨む人。一人で走る人。友人知人と一緒に走る人。ウェアに凝る人。家にあるジャージで済ます人。シューズにこだわる人。裸足で走る人、フルマラソンには不向きの仮装で走る人…。

 

 正解はありませんが、なぜ自分はそれを選んだのか。その人の価値観が如実に表れているような気がします。この点にも人生が集約されている。

 

 マラソンは30キロを超えてくると相当疲労も溜り、大半の人が心身ともにかなりつらい状況になります。沿道で応援していると本当につらそうです。私の浅はかな考えからすると「何でそこまでして出るのかな…」と思ってしまいますが、やはりゴール後の達成感は何物にも代えがたいのかもしれません。

 

 加えて、「沿道の声援」がかなり力になり、勇気をもらえるとの話もよく聞きます。特に私が住む地域の大会はゴールまで途切れることなく声援が続き、それに感動してリピート出場する人も多いそうです。

 

 「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」アル・ゴア元米副大統領がノーベル平和賞授賞式典の演説で引用し、有名になったアフリカの諺です。2021年の所信表明演説で岸田首相も同様の言葉を述べています。

 

 マラソンは基本的に自分の身体を使って一人で走りますが、周囲には同じゴールを目指すランナーが走り、沿道には家族や住民をはじめ、給水や給食を提供するボランティアが大挙し大きな声援が送られます。

 

 この状態はまさに「遠くへ行きたければみんなで行け」を表していると私は思います。自分一人だけでは到底できなかったことが、皆がいればエネルギーが増幅され、それぞれが信じられない力を発揮して大きな成果が得られる。

 

 「早く」や「遠く」は単純に時間や距離の話ではなく、さまざまなことに例えられます。「遠く=より大きな成果」を目指すためには、周囲の人を巻き込んでいくことが大切です。結局、それがより「早く」行くことにもつながります。

 

 経営者の皆さん。一人で頑張りすぎず、周りを巻き込んでいきましょう。その先には、自分一人では考えてもいなかった景色が広がっています。

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