
「都内百貨店、25年元日は全休 西武池袋も改装で13年ぶり」2024年11月6日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。
かつて日本では、年末から元日、そして2日、3日まで店舗が休業するのは当たり前でした。従業員が年末年始を家族や自分のために過ごし、新しい年に向けて心身を整える――そのための休みが確保されていたのです。
しかし、消費者ニーズの拡大と共に「年中無休」が標準化し、年始の休業は徐々に姿を消しました。年始の休みの文化は便利さと引き換えに失われ、従業員の負担が増す一方となっていたのです。
そして今、再び「元日休業」に立ち返る動きが広がっています。労働市場が完全に「売り手市場」となり、企業が優秀な人材を確保するためには、従業員の健康や働きやすさを考慮することが必須となったからです。
百貨店の元日休業は、過去の「従業員を大切にする姿勢」に回帰する一歩であり、企業が時代に合わせて柔軟に対応していることを示しています。
また、消費者側の行動もこの変化を後押ししています。オンラインショッピングが当たり前になった現代、消費者は年末年始に関係なく、いつでも必要な商品を手に入れられるようになりました。
元日に営業しなければならない時代は終わりつつあります。むしろ、無理な営業を見直し、従業員を大切にする企業であることを示すことで、消費者からの長期的な信頼と共感を得られる時代が訪れているのです。
私たち経営者が問われるのは、「従業員をどう支え、どのような環境を提供しているか」という点です。従業員が十分な休息を取り、やりがいを持って働ける環境が整っていれば、自然とその姿勢が顧客に伝わり、顧客満足度の向上にもつながります。
一方で、従業員に過度な負担をかけている企業では、サービスの質が低下し、顧客からの信頼も失われてしまうでしょう。長期的に選ばれる企業であるためには、「人を大切にする」姿勢が企業価値を支える重要な要素となっているのです。
都内の百貨店が元日休業を決断したのは、「従業員を大切にする企業である」という姿勢を明確に示した決断です。企業が利益だけでなく、従業員の健康と幸福を第一に考える経営こそが、今後さらに必要とされるでしょう。
経営者の皆さん、ぜひ年末年始の在り方を見直し、「人を大切にする姿勢」を経営の中心に据えていきましょう。それが、長期的に顧客と従業員の双方から信頼され、選ばれ続ける企業への道となります。

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