
「ショッピングセンター 超・保守モード 入れたい『キラーテナント』 鉄板にすがる 目新しい店 撤退が怖い」2025年02月26日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。
近年、ショッピングセンター(SC)のテナント選びは、従来の「目新しさ」や流行に飛びつく姿勢から、いわゆるスーパー・コンサバとも呼べる保守的な戦略へとシフトしています。
日経MJの記事でも指摘されているように、物価高や入れ替えコストの上昇、さらには新型コロナウイルス禍の影響など不透明な環境下で、実績と信頼のある著名ブランド―スリーコインズ、無印良品、ユニクロなど―が強く求められるようになっています。
短期間で流行に便乗するテナントは、すぐに撤退してしまうリスクがあり、長期にわたって安定的に集客できる店舗こそがSCの鉄板として採用される傾向にあります。
テナント選びが「保守モード」に傾く一方で、テナントの顔ともいえる「人の力」があまり語られなくなっています。
店舗型ビジネスにおいて、ビジネスモデルや商品ラインナップの工夫も重要ですが、結局は現場で働く人々―特に店長―の存在が店舗の成否を大きく左右します。
最新のシステムや自動化技術によるオペレーションの効率化が実現し、低単価な商材を扱う店舗では一定の成果が期待できるかもしれません。
しかし、すべてが同じようなルーチンワークに陥ってしまうと、個々の店舗が持つ独自の魅力や温かみが失われ、結果として消費者が「揺り戻し」を求める時代が来るのではないでしょうか。
私自身、長年店舗経営に携わる中で、いかに最新技術や効率化策を導入しても、最終的にお客様の心を掴むのは現場で汗を流し、顧客一人ひとりに丁寧な対応をするスタッフの存在だと痛感してきました。
店長が自ら現場に立ち、スタッフと共に日々の課題に取り組む姿勢は、単なるデータや数字では計り知れない信頼感と安心感を生み出します。
たとえ著名ブランドが入居し、安定感をもたらしたとしても、その裏で培われる「人の力」がなければ、店舗は単なる機械的な集客拠点にとどまってしまうでしょう。
これからのSC運営は、省力化と人材育成という二律背反のテーマに直面しています。テナント誘致担当者が安全策として大手ブランドに頼る一方で、現場では個性豊かなサービスや顧客とのふれあいが求められています。
効率と温かみ、この二つのバランスをいかに取るかが、今後の店舗型ビジネスの成長を左右する重要な鍵となるでしょう。私の経験と記事の示す現状からも、これまで以上に「人の力」、特に店長のリーダーシップが、店舗全体の実績に直結する時代が訪れているのは明白です。

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