ニュースの論点No.838 若害とは

「退職代行もお手上げの“迷惑な若者”の実態」2025326日、Yahoo!ニュースはこう題した記事を掲載しました。

 

大学生の就職内定率が92.6%に達する超売り手市場の中、企業は人手不足への対応として採用基準を緩和せざるを得なくなっています。

 

その結果、これまで入社が難しかった若手が大量に採用され、現場では若手社員の言動が組織運営に悪影響を及ぼす事例が報告されるようになっています。

 

大手企業の教育担当者は、「採用基準の低下により、従来なら入社しなかった人材が次々と入社してくる」と嘆いており、若手育成の難易度は年々上がっている現状です。

 

「若害」とは、若手社員が以下の三点において弊害を及ぼす状態を指しています。まず一つ目は、「お客さま体質」で業務に臨むことです。これは、自分自身が中心であるという意識が強く、組織内で求められる報告や連携が十分に行われない傾向を意味します。

 

次に、無責任な迷惑行為の多発。例えば、退職が了承されたにもかかわらず、社外秘の資料の返却を3か月以上遅延させ、退職後も企業担当者とのやりとりが50回以上に及んだ工場勤務の若手男性の事例があります。

 

そして三つ目は、仕事の価値を自分基準で判断し、企業のルールや倫理観を軽視する点です。実際、ある営業部門では、交通費の虚偽申請が退職後に発覚し、企業に大きな損害をもたらす事例が報告されています。

 

退職代行サービスの利用状況にも注目すべき変化が見られます。若手社員による退職後のトラブルが急増しており、これは彼らが自身の不正やルール違反を軽視し、結果として退職を逃げ道として利用している現れであるとされています。

 

例えば、ある若手は店の設備の一部を破損したことを「ちょっと隠している」とメールで伝えましたが、実際には大損害が生じるリスクがあったとのことです。

 

また、ある女性が「懲戒解雇になりそうだから助けて欲しい」と退職代行サービスを利用しましたが、実際は自分のシフトを増やすことで給料を上げるため、他の従業員との対立を煽り、懲戒解雇寸前だったことが明らかになりました。

 

こうした若害の事例は、単に若手社員の未熟さや自己中心的な考え方の問題だけではなく、採用時の評価基準の甘さや入社後の教育・指導体制の不備、さらには組織内のコミュニケーション不足が根底にあると考えられます。

 

採用段階でスキルや学歴のみならず、企業が大切にする価値観や業務に対する姿勢を重視した選考を行うことが求められるのはもちろん、入社後は定期的な個別面談や部門横断型の意見交換の場を設け、若手社員が自らの行動の影響を認識できる環境を整備することが重要です。

 

若害問題は、若手個人の問題だけではなく、採用、育成、コミュニケーションといった組織全体の仕組みの中に根ざしているため、経営者は現状の課題を正確に把握し、自らが責任を持って改革に取り組む必要があります。

 

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