ニュースの論点No.868 人生100年

「企業の4割が「65歳以上を新たに採用」、最多の業種は?」202579日、Yahoo!ニュースはこう題した記事を掲載しました。

 

新規採用率が高い業種は「警備・交通誘導」(56.1%)が最多で、次に「清掃(ビル管理・メンテナンス)」(50.0%)、「配送・引越し・ドライバー(陸運)」(45.4%)が続きます。

 

今朝、私が河川敷でジョギングをしていると、60代くらいの男性が腕のスマートウォッチを一瞬だけ確認し、私を軽やかに追い抜いていきました。背筋は真っすぐ、足音はほとんど聞こえません。

 

最近は見た目が若い方が多く、追い抜いかれた男性もひょっとしたら80代かもしれません。さまざまな場面で、年齢を聞いて驚く機会が増えました。医療技術の進展やITによる健康管理面の進歩、「まだそんな年ではない」という前向きな心構えが実年齢のイメージを塗り替えているのだと思います。

 

同様の「若返り」は企業現場でも起きています。冒頭の調査では、過去6か月で65歳以上を新規採用した企業が約45%、今後採用したいと答えた企業は約57%に上りました。

 

警備や配送のほか、品質管理やカスタマーサポートでも勤怠が安定したシニアの経験値が評価され、若手の離職抑制や現場教育の中心になっています。人間の寿命が延び、企業の寿命が縮むいま、年齢はコストから競争資源へと立場を変えつつあるのです。

 

人生において働く期間はより長くなっています。そんな中、皆さんは「仕事」をどのように定義しているでしょうか。嫌々こなす労働で収入を得るもの、と捉えてはいないでしょうか。もしそうなら、延び続けるキャリアと短くなるスキルの賞味期限に対応するのは難しくなります。

 

例えばIT知識の半減期が35年と言われる今、70歳まで現役でいるには少なくとも34回の学び直しが必要です。20年前はおろか、10年前のスキルも大半は使い物になりません。

 

しかし、好きで学んでいる人は少数派です。わざわざ仕事のために自分の時間を勉強にあてるのは嫌だ。こんな感じの方が多いのではないでしょうか。この点、自身の「仕事観」を変えると、学びは苦行ではなく娯楽に変わります。

 

休日に撮った写真が翌週の販促資料を彩り、家庭菜園で得た気づきが新商品のヒントになるように、仕事とプライベートは本来切り離せない表裏一体の関係です。線を引けば引くほど、相乗効果という果実を自ら摘み取ってしまいます。

 

まずは目の前の仕事で「好きになれる要素」を探してみてください。小さな好奇心を起点に勉強を続ければ、成果は自然と私生活にも波及します。好きな仕事は体力を引き上げ、充実した私生活は創造性を押し上げる。この循環こそ長寿社会を楽しむ最良の仕組みです。

 

働くことは人生そのものです。仕事と私生活を二項対立で捉える発想を手放しましょう。両者を溶かし合わせながら学び続ける人こそ、年齢を味方に変え、100年ライフを自在にデザインできます。

 

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