コラムNo.869 黙っていて売れるわけがない

「提供に10分ほどかかりますがよろしいですか?」

飲食店で気になった料理を注文すると、上記の言葉がスタッフから伝えられます。特に問題のある言い方ではありませんが、ちょっともったいない。

 

たとえば、「こちらのメニューは新鮮な食材を厳選して調理にもこだわり、“出来立て”の状態で提供しています。申し訳ございませんが10分程いただいてもよろしいでしょうか?」と説明すると、同じものでも価値は数倍変わります。さらに「待ち時間」が「価値を生む時間」に変わる。

 

価値を伝えることの重要性はこんな細かなところに表れます。むしろ、細かなことの積み重ねが大きな価値に変わるのです。

 

また、飲食店で「本日のおすすめ」をスタッフが勧めてくることは実際のところ多くありません。これも非常にもったいない。お客は言わないとわからない。たとえメニューに書いてあっても全部を見るわけではなく、当然見逃すこともあります。

 

メニューに書いて無ければなおさらで、せっかくの情報も伝えなければ、ザルですくった水が漏れるように「価値」も簡単に漏れ落ちていきます。

 

言葉にして伝えることで脳は反応し、アンテナを立てます。「希少で価値の高い」「脂ののった」「普通は手に入らない」「非常に高価な」などの言葉によって、脳はその情報を前提に体験を上書きします。

 

「やはりいいものは違う」と感じ、価値ある体験として記憶されるのです。飲食店に限らず、あなたが提供している商品・サービスの有用性や希少性、優れた点を言葉にしたもの、つまり「価値」を必ずお客に伝えなければなりません。

 

そうしなければ、お客は何も意識せず、記憶の片隅にものこらず、リピートも紹介も発生しません。要するに売上は伸びない。売上は支持率です。お客から支持されなければ、市場から撤退するほかない。

 

言葉で価値が伝わります。大事なことは、お客が知りたい情報を言葉にして提供することです。価格でも価値でも「知らない」ことは不満や不安を呼び起こします。

 

最低でも商品の「原材料」「産地」「加工方法」「利用方法」「他との違い」「鮮度」「希少性」「効果」など、根拠ある情報を踏まえた上で言語化し、メニューやカタログなどの形にしておくべきです。それが「ストーリー」になっていると、さらに伝わりやすくなります。

 

お客がわざわざ自分から調べることはないと思っておきましょう。「良いものは黙っていても売れる」のは幻想です。そもそもお客は何も知りません。そして知らないものは調べようがない。

 

経営者の皆さん。あなたが提供する商品やサービスの「価値」をしっかりと言葉で説明できますか。単なる思いつきではなく、根拠ある情報を踏まえ、価値を言葉にした「型」をつくっておきましょう。

    今週の経営コラムを無料でお届け 無料メールマガジン登録はこちら
    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!

    コメント

    コメントする

    目次