
「買う気がなかったのについ買ってしまった…」「買う気満々だったのに結局何も買えなかった…」皆さんも経験があるのではないでしょうか。私も同様の経験が何回もありますが、つい最近もありましたので共有したいと思います。
あるスポーツ専門のシューズを取り扱う店舗でのこと。私は付き添いで来店。まったくと言っていいほど興味がなかった私は、しばらくの間店内をブラブラしながら、連れに対するスタッフの説明を聞きつつ、手持ち無沙汰感満載で所在なさげに佇んでいました。
ところが少し時間が経つと、徐々に私に対しても(興味のありそうなことを探りつつ)スタッフの方が話しかけられ、巻き込まれるように試着や商品のお試しなどをしていきました。
その際、こちらが欲しい情報はもとより、(ちょうど良い感じの)専門知識を(必要な時に)提供してもらい、そのスタッフへの信頼感は自然と増していきます。そして商品について(メリットデメリットを挙げて無理には勧めず、商品を使った後の状態や効果について、事例を交えて)わかりやすく説明し、使い方やケアのコツも丁寧にアドバイスしてくれます。
結果、まったく予定外の商品を購入したのですが、結構満足し、実際毎日使用しています。要は良い買い物になったわけです。もしその接客応対がなければ、買いものはおろか商品の存在も知らず、買わなかった場合に比べ生活の質も上がらなかったかもしれません。
一方、ある歯科医院。自宅からほど近い場所にある医院のため、高い利便性を感じながら通っていました。最初は治療、その後は予防で定期的に通院し、技術やコミュニケーションなどは特に可もなく不可もなく…という印象でした。
しかしながら、数回通院してふと「自分自身の口内の状態」がよくわかっていないな…と思い始めました。治療の最初こそレントゲン写真等を使って細かく説明してくれましたが、予防歯科になると、ちょっと検査するだけで特に説明もなく、歯石や着色を取って終了。特にアドバイスもなし。こんな流れが続いていました。
直近も特に説明がなかったので、さすがに「どんな状態なんですか?」と聞いてみたら、「大きな虫歯もないし(小さな虫歯はある?)、歯茎の状態も少し気になるところ(どの辺?)はありますが…。もし気になるようだったらレントゲン撮って…」とあまりやる気はない感じの回答。
まあ、大体そんなものかもしれませんが、他の医院では「もっと詳しく状態を教えてくれる」「診断データをくれる」「必要な処置は都度アドバイスをくれる」などの声もあります。私としては、せっかく予防のために通院しているので、できることがあればやりたいし、常にアドバイスも欲しい。
要は買う気満々の心理なのに、現状の説明や情報提供もなく、似たような事例の紹介もなくアドバイスもない。ちなみにシューズ店の事例でカッコ書きした部分(興味のありそうなことを探りつつ)(ちょうど良い感じの専門知識を必要な時に提供)(メリットデメリットを挙げて無理には勧めず、商品を使った後の状態や効果について、事例を交えて)は成果を出す店舗では必ず行われます。
実店舗での接客応対のキモは、必要ないものを口八丁で買わせるのではなく、その人のお困りごと解決のために必要なモノコトを見極めマッチングさせること。歯科医院は実店舗ビジネスではないかもしれませんが共通点は数多くあります。この点、私にとってシューズ店と歯科医院は真反対の対応でした。必要とされているのに、何もしないのは職務怠慢とも言えます。
さて、経営者の皆さん。あなたはお客のお困りごと解決のために、必要なモノやコトをもれなく提供できていますか。そもそも「お困りごと」を把握し、「盲点」に気づかせる視点が提供できているでしょうか。私も自戒の念を込め、より高みを目指してプロフェッショナルの仕事をしていきたいと思います。

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