コラムNo.645 ムダなアドバイス

 当コラムをお読みの皆さんは普段の業務や社員とのミーティングなどで「アドバイス」をする機会が多いと思います。私もアパレル店舗経営者として、あるいはコンサルタントとしてアドバイスを求められる機会が毎日のようにあります。

 

 さて、さまざまな企業のミーティングに同席する際、上司から部下へ、あるいは同席したコンサルタント側から経営者へ「一方的なアドバイス」をしている場面に多々遭遇します。もちろん、内容的にはまったく問題なく、むしろ非常に有効なアドバイスだな…とこちらが勉強になるほどです。

 

 集客にはLINEを使ってあの媒体広告と連動して…。顧客リストから休眠客を掘り起こして…。あの顧客にはこんなアプローチで…。新規開拓はあの会社から攻めて…。成功体験に基づいた、具体的なアクションプランを立て板に水のごとく話されます。

 

 ただ、残念ながらそのアドバイスが生かされていることはほとんどありません。部下や経営者はうんうんと感心しながら聞いていたにもかかわらずです。なぜでしょうか?

 

 一言でいえば「やる気が失せる」からです。アドバイスの内容には感心する部分もありはしますが、そもそもヒアリングもろくにせず、「ドヤ顔」で反射的に細かなアドバイスをしてしまうのが根本原因です(ちなみに相手は相当気を使って聞いています)。

 

 つまり話も聞かずに自分の意見を押し付ける。こうなると言われた方は「やりたい」とは思わないし気分も悪い。最悪の場合は、かなり効果的な施策でも「この人が言うならやらない」と感情的な対応をしてしまい、誰にとっても損な結果になります。

 

 アドバイスを求められた時に最もしてはならないこと。それは「いきなりアドバイス」です。まずは“必ず”“絶対に”相手の話を聞いてください。最初の相談は大半が表面上のことで、裏には重要な論点が隠されています。

 

 的外れかつ自慢話的アドバイスは相手にとって苦痛の時間です。厳しい言い方になりますが、言った本人が気持ちよくなりたいだけです。

 

 相手がアドバイスを求めている様子に見えても、実際は話を聞いて欲しいだけのパターンもあります。そもそも解決して欲しいのではなく、背中を押してほしいと思っていることの方が多いかもしれません。

 

 もちろん、本当にアドバイスが欲しい人も少なくありません。それでも、いきなりアドバイスは危険です。話を聞いて的を絞ったうえで、ど真ん中に目掛けてアドバイスしましょう。すると「この人はわかっている」「相談してよかった」「早速やってみよう」と最大の効果が見込めます。心当たりのある方は、ぜひ見直してみてください。

    今週の経営コラムを無料でお届け 無料メールマガジン登録はこちら
    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!

    コメント

    コメントする

    目次