
「新たなカタチ…アパレル店で『カフェ併設店舗』次々とオープンするワケ」2023年5月11日、日テレNEWSはこう題した記事を掲載しました。
記事によれば、「11日、東京・銀座にアパレル大手『H&M』の新店舗がオープンしました。こだわりの豆を使ったコーヒーを楽しめるカフェを併設しています。ここ数年、アパレル大手ではカフェを併設した実店舗を運営する動きがみられます。」とのことです。
ギャップやユニクロなどもすでにカフェ併設店舗を展開しています。「来店のきっかけづくり」が主な理由とのことですが、アパレル店舗×カフェは数十年前からある出店戦略の一つです。
私は25年ほどアパレル業界に関わっていますが、それ以前から「割とおしゃれな洋服屋さん」にはカフェスペースがありました。当時の「イケている人たち」が集まり、情報交換をする場所になっていました。
大手アパレル各社も幾度となくカフェを併設し、先述の「来店のきっかけづくり」や「ゆっくり買い物できる環境」を提供し、顧客満足度の向上を目指していました。最終的には「客数アップ」「客単価アップ」「来店頻度アップ」で売上アップを目論んでいるわけですが。
しかしながら、その多くがカフェ併設をやめています。なぜか。端的に言えば「儲からないから」です。カフェで儲からなくても、アパレルで儲かれば…の考えは当然あったと思われますが、そうだとしても売上に対する維持管理コスト(つまり固定費)がかかりすぎ、割に合わなくなった店舗が多かったのです。
人件費はもとより、光熱費やメンテナンスコスト、場合によっては家賃も発生するため、相当うまくやらないとカフェ単体ではほとんど赤字になるでしょう。今回のように、資本に余裕のあるファストファッション各社が広い店舗のスペースを活用してやる分には追加コストもほぼかからず、いわば「客寄せ装置」として機能するかもしれません。
一方で、中小規模のアパレル企業や個人店がやるとまず失敗します。そもそもカフェの経営は飲食店同様、簡単そうで難しく、皆さんが良く知る有名店はごく一部の幸運な店舗です。
アパレル店舗の経営だけでも難しいのに、さらにカフェを併設するとなると超一級の経営センス×スキルが必要になります。にもかかわらず大半は「おしゃれだから」と自己満足で併設する場合が多いため、より多くの失敗例が積み重なっていきます。
経営者の皆さん。店舗ビジネスを展開する時は“欲張らず”に商品やサービスは絞り込みましょう。特に規模が大きくない企業ではなおさらです。まずは一つの分野で成功を収めることが店舗ビジネスに関わらず重要なポイントです。

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