
世の中にはさまざまな「賞」が存在します。もっとも有名な賞は「ノーベル賞」でしょうか。他にも、映画では「アカデミー賞」、音楽では「グラミー賞」などは皆さんも聞いたことがあると思います。ただ、これらの賞はテレビでは見聞きしても、自分の身近にあるかというとそうでもない印象です。
一方で、ビジネス関係の「賞」もあります。商品に「○○賞受賞!!」という文言が記載されているのを見たことがある方も多いでしょう。
さて、「グッドデザイン賞」をご存じでしょうか。ある仕事のご縁で、まったく知識がない状態から色々と調べる機会がありました。グッドデザイン賞は赤丸の中に白抜きの角ばった「Gマーク」で知られています。
グッドデザイン賞は1957年から始まり、昨年は老人デイサービスセンターの「52間の縁側」がグッドデザイン大賞を受賞しています。また、大賞以外にも、金賞、グッドフォーカス賞など多くの賞が用意され、毎年たくさんの商品やサービス、プロジェクトが受賞しています。
ちなみに2021年のデータですが、審査総数(≒応募数)は5835件で、受賞数は1608件。応募数の27%が受賞している計算になります。この数字を見てどう感じられるでしょうか。受賞率が最も高い年は2001年の55%で(1290/2329)、その後は概ね30~40%で推移。
個人的には受賞率が30%以上あるのはちょっと高いかな…と感じます。もっと狭き門と思っていましたので、なおさら驚きも大きかったですね。
申請には当然お金も必要です。応募申請に際し手数料が一次審査で11000円、二次審査で60500円+展示会等での使用料、さらに受賞した際は受賞パッケージ料165,000円がかかります。合計すると、受賞した場合は少なくとも236,500円。それとは別にGマーク使用料も販売価格に応じて年間220,000~1,100,000がかかってきます。
グッドデザイン賞自体は健全に運営されており、良し悪し含めどうこう言うつもりはありません。もちろん受賞の意義もあると思います。ただ、何かイメージと違うな…というのが正直なところです。個人的には“賞”ビジネス的な印象をちょっとだけ持ちました。
話は少し変わりますが、「モンドセレクション」も日本では賞として有名です。モンドセレクションは食品やダイエット、水道水など幅広い商品の技術的水準を審査する、ベルギーの民間企業が与える認証ラベルです。
少し古いデータになりますが、モンドセレクションの2017年結果は2965品中420品が最高金賞、1368品が金賞、銅賞を合わせると2691品となり、実に90%以上が認証されています(Wikipedia)。審査費用は1300ユーロ~(2024年3月時点で1ユーロ≒160円、約20万円)となっています。
こちらは受賞率だけで見ると…何とも言えない感じです。もちろん審査はきっちりと行われているのかもしれません。「モンドセレクション」という権威、ブランドを使いたいという応募者も多いような気がします。いずれにしても、内実を知ると随分印象が変わります。
翻って、「賞」自体には問題ありません。そもそも応募者側が何を目的に応募するのか。軽々しいブランディング程度で考えているのであれば、やめた方がいいかもしれません。本気で取り組んだ結果が評価されるのはいいとして、受賞のための商品・サービスづくりは本末転倒です。
まずはお客様から高い評価を得ること、つまり「顧客満足の最大化」を目指した経営を行っていきましょう。賞を取るのはあくまで手段であり、プロセスの一つでしかありません。

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