
「『あえて非正規』若者で拡大 処遇など新たな設計が必要」2024年3月4日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「25~34歳のうち、都合の良い時間に働きたいとして非正規になった人は2023年に73万人と、10年前より14万人増えた」としています。
一方、正規の職がないことを理由にした非正規は半減しています。要するに自らすすんで非正規になる若者が増えているのです。
文章だけではわかりにくいので、以下に2013~2023の数字の変化をまとめます。
・非正規数(25~34歳):301万人→237万人(64万人減少)
・やむを得ず非正規を選択:84万人→30万人(54万人減少)
・あえて非正規を選択:59万人→73万人(14万人増加)
この10年間で、そもそも非正規数が64万人減と2割以上減っており、やむを得ず非正規を選んだ人も54万人減と6割以上減っています。その中で「あえて非正規」だけが増加。
25~34歳全体の人口は10年間で1割(約120万)ほど減っています。それ以上に非正規の割合は減り、正規の割合は増えている中で“あえて”非正規を選ぶ人が増えつつあるのです。
一方、就職氷河期と呼ばれる世代はどうでしょうか。2022年の数字になりますが、非正規は379万人、やむを得ず非正規は39万人となっています。こちらの世代もこの数年、やむを得ずの非正規は減少しつつあります。
翻って、この10年間すべての世代で「やむを得ず非正規となる人」は減っており、その数341万人→196万人と4割以上も減っています。
つまり、正社員になりやすくなっている環境の中、あえて非正規を選ぶ人が増えている。現在は完全失業率も4%を切り、有効求人倍率も1倍を超え、数字的には完全雇用に近い状況です。まさに多様な働き方が可能になってきているのでしょう。
ただし、平均年収はこの30年を見ても変動が少なく、400~450万あたりをうろうろとしています(2022年は458万)。非正規が減ったとはいえ、生活が豊かになっているとはいえないかもしれません。
この点、出世や高収入より「自分の時間」を大事にする若年層が増えているとの声も聞きます。何に価値を感じるのか、大事にするのかは個人の自由ではありますが、もっと若者らしい勢いはあっていいような気もします。あまり言うとパワハラになるのでアレですが。
世代間で人口の差があるとはいえ、やはり社会を変えるのは若者の力です。新陳代謝は生物にとっても、社会にとっても必要不可欠な事象です。
既得権益に居座る老人は論外として、我々のような上の世代も新陳代謝を念頭に動く必要があると思います。私たちは正規、非正規といった雇用形態だけにフォーカスするのではなく、働くことの本質的な価値を追求し、世代交代の道をつくっていく役割を担っています。

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