
最近、経営者の方から「値上げ」の相談が続いています。業界を問わず資材やエネルギーコストが高騰し、利益が出しづらい状況が続いているのが理由の一つです。
ここまで何とか頑張ってきたけど、さすがに値上げを選択せざるを得ない。こんな感じの方が本当に多いと感じています。
相談内容は値上げの幅や時期についてが大半です。皆さんご自分で考えてはいらっしゃいますが、なかなか最初の一歩が踏み出せない。
で、現状を細かくお聞きすると、収益状況を把握されていない方が目立ちます。何となく儲かっていないような…という感覚で判断されている。概ね間違ってはいないにしても、根拠としてはちょっと頼りない。
そしてどれくらい値上げをするのか確認すると、「だいたい500円くらい‥」や「1割程度…」のように答えられます。要するに値上げの根拠(理由)や値上げ幅が適当。
ということで、相談の際は簡易的な財務分析を行い、収益状況を把握します。そもそも値上げが必要なのか、現状の価格のままで販売量を増やす努力をしたほうがいいのか、あるいは逆に値下げして販売量を爆増させてほうがいいのか。あらゆる可能性を探ります。
加えて、同業他社の価格を調査し、市場でどのようなポジションを取るのか、改めて確認していきます。さらに顧客が出せる現実的な金額なのかを加味します。
これらを踏まえてようやく値決めをします。BtoBの取引であれば契約書上の制約があるかもしれませんし、交渉が必要な場合もあるでしょう。
この点、そもそも顧客が買ってくれるのか、競合を相手にどの価格ポジションで行くのか、さらに自社に利益が十分残るのか。値決めはいわゆる3Cの視点で考える必要があります。
ところが、先述のように結構適当に値決めをする経営者の方は多い。だいたいの相場感でとりあえず付けた価格を何年も続けている会社も珍しくありません。
儲かっていればいいですが、かなりの確率で赤字になっています。しかも顧客はその価格に慣れ切っているので、値上げしにくいうえに顧客離れが怖く現状維持の圧力がかかる。
こうして長年同じ価格でやってきたのが、さすがに回らなくなり値上げに手をつけざるを得ない。多くの会社ではこんな状況ではないでしょうか。
経営者の皆さん。まずは自社の正確な収益状況を把握しましょう。値上げの第一歩はそこからです。解決策は値上げではない可能性もあります。ひょっとしたら隠れたムダなコストが見つかるかもしれません。より効果的な経営判断をするためにも、自社のリアルを知るようにしましょう。

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