ニュースの論点No.756 DXはあくまで手段

 「サイゼリヤのスマホ注文が合理的なワケ」202469日、ITmediaMobileはこう題した記事を掲載しました。サイゼリヤでは、一部の店舗でスマホを使ったセルフオーダー式の注文方法に切り替えられています。

 

 つい最近、私もオーダー方法が変わったサイゼリヤの店舗を利用しました。印刷された大判のメニューはこれまで通りで、自身のスマホを使ってテーブルのQRコードを読み取り、オーダー画面に数字を入力して送信するというかなりシンプルな仕組みです。

 

 他の店舗でもスマホを使ったオーダーシステムの利用経験がありますが、個人的にサイゼリヤの方法は非常にやりやすく、かなりストレスが少ないと感じました。

 

 最近ではタブレット端末でオーダーする店舗も増えていますが、結構メニューが見づらく使いにくいと感じます。この点、サイゼリヤはこれまで通りのメニューを皆で見ながら決めることができ、何度も画面を行き来する必要もなくストレスを感じません。

 

 また、よくある「タップ1回」でのオーダーは便利ではありますが、サイゼリヤの数字を入力する方法は意外に手間を感じず、むしろスマホ入力に慣れているので直感的かつスムーズに対応できました。

 

 操作画面もかなりシンプルに設計されており、何をオーダーしたか、履歴や会計までの流れがわかりやすくノーストレスです。

 

 他方、これまでのようにスタッフがオーダーを一つ一つ確認する場合に比べ、かなりの労力および時間の軽減になっていると思われます。ついでに会計もセルフになっており、スタッフは食事を運び、空いた皿を下げる役割のみで動けるため、負担が相当減っているでしょう。

 

 今回のサイゼリヤの件は、最新のデジタル機器で刷新されたわけではありません。今までと同じメニュー表と、お客が使い慣れた自分のスマホを使う仕組みになっただけです。実に簡単かつ低予算で実現でき、さらにお客側も使いやすくスタッフの負担軽減にもつながる。

 

 「これからはDX!」といって何でもかんでも最新のIT機器やシステムを導入すればいいわけではありません。今回の例は私自身も改めて大きな気づきとなりました。

 

 そもそも導入するモノありきではなく、「お困りごとの解決」を念頭に置くことでよりよい方法が生まれやすくなります。何を目的に投資を行うのか。DXは単なる手段であり、目的ではありません。

 

 手段の目的化が進むと、わけのわからない機器を購入して結局使えないムダなものを増やすだけの施策になってしまいます。

 

 私たちは常に目的に立ち返り、自社に相応しいやり方で課題を解決していきましょう。もちろんDX自体は悪いことではありませんが、安易なシステム導入が逆効果になることも少なくありません。くれぐれも手段と目的を混同しないようにしていきたいですね。

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