コラムNo.787 ビジョンがないと経営者には不向き?

先日、ある公的機関から取材の依頼を受け、ライターさんやカメラマンさんとお話しする機会がありました。「人材育成」が主なテーマだったのですが、当日はインタビュー形式というより半分講義のような形で進んでいきました。

 

私の経験も交えながら、結局は経営者のビジョンに共感する人材を採用しなければ、育成は困難であることをお伝えしました。つまり経営者が目指す姿の明確化が最重要であり、育成方法だけ切り離して考えても無意味だということです。

 

この話の後、雑談をしている中で「私にはビジョンがないんですよね…」とお話しされた方がいらっしゃいました。実際、コンサルティングの現場でもビジョンがない、あるいは考えたこともないという方も少なくありません。

 

ではビジョンがないと経営者にはなれないのか。不向きなのではないか。こんな感じで疑問を持たれる方もいらっしゃいます。

 

この点、私は「ミッション型」と「ビジョン型」の人がいる(傾向がある)ことをお伝えしています。

 

ミッション型は自分の価値観や信念に基づいて日々の行動を積み重ねていくタイプです。 「自分にとって価値あること」である中心に行動し、結果よりもプロセスに喜びを見出します。

 

ミッション型は目標に縛られず、自分の中の「あり方」をして行動し続けられる点を大切にしています。また、プロセスを楽しむため、目標達成へのプレッシャーが少なく、柔軟に状況に対応しやすいのが特徴です。

 

一方、ビジョン型は明確な目標やビジョンを持ち、その達成に向けて戦略的に行動するタイプです。 彼らは、自分が「どこに行きたいのか」というゴールを強く意識し、その目的地にたどり着くために逆算して行動します。

 

ビジョン型のモチベーションは目的地に到達する達成感や、大きな夢を実現することへの喜びから生まれます。また、大きな夢やビジョンがあることで、困難が降りかかった時もそれらが原動力となり、粘り強く取り組むことができます。

 

組織のサイズで言えば、ミッション型はマイペースで自分サイズを大事にし、ビジョン型は拡大成長を志向する傾向があると考えられます。

 

とはいえ、多くの人はミッション型とビジョン型の傾向はあるものの両方の要素を持っており、状況に応じて使われています。組織やプロジェクトでは両タイプの人が存在し、補完し合うことで大きな力を発揮します。

 

ミッション型の人はビジョン型のリーダーが示す方向性に共感しながら、そのプロセスを重視して行動する。ビジョン型の人はミッション型の人が価値観を大切にしつつ、戦略的に目標を目指す。場面が変わると流動的に人の役割も変わっていく。

 

ただ、ミッション型の中には今やるべきことにフォーカスしすぎて、ビジョンをイメージするのが苦手な人もいます。逆にビジョン型では目標達成を優先するあまり、ミッションがなく自分の軸がブレていると感じる方もいらっしゃいます。

 

いずれにしても、自分の傾向を知っておくことで心理的な負担は減少します。経営者でも、ビジョンが描けなかったり、ミッションが持てなかったりしてもそれがイコール不向きであるということではありません。

 

ただし、自分自身の価値観を明確にしていないと誰からも共感は得られず、人材は集まりません。経営者の皆さん。まずは自分が何を大事にしているのか。言語化して積極的に発信しましょう。ビジョンやミッションの種はあなたの中に眠っています。

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