コラムNo.915 特殊な業界などない

経営改善が必要な会社を訪ねると、いくつかの共通点が見えてきます。

その中でも特に大きいのが、社長が社外に目を向ける時間をほとんど取っていないこと。

 

本来、社長の仕事は社外にあります。市場の動きに触れ、顧客と話し、外から得られる情報をもとに会社の方向を決めることは、経営者にしかできません。

 

ところが、多くの社長は外へ出たほうがいいと理解していても、「出よう」とは思っていない。大半の場合、「時間がない」という理由を盾に、行動には結びついていません。

 

行動しない本当の理由は何か。

まずは「自分がいないと仕事が回らない」という思いこみ。実際には任せられる仕事であっても、社長自身が抱え込んでしまうケースは少なくありません。

 

次に、「自分が中心でいたい」。仕事が自分を支える存在になっているため、役割を手放すことに強い不安が生まれます。こうした思いが積み重なることで、「外に出る必要がある」という感覚そのものが薄れていきます。

 

状況が厳しくなったときに表れる言葉にも共通点があります。

「景気が悪いから仕方ない」という声と、「うちは特殊な業界だから一般論は当てはまらない」という声が同時に出される。

 

そもそも「特殊な業界」などほとんどなく、本当に特殊な業界であれば景気の影響は受けない。視野が狭くなるとこの矛盾に気づきにくくなります。外の動きを見ないまま、これまでの延長線で何とかなるのではないかと考えてしまうのです。

 

ただ、同じ行動を続けている限り、結果は変わりません。

これは誰もが理解していることでありながら、いざ自分の会社となると見えにくくなるものです。

 

「今までと同じやり方では、これまでと違う結果は出にくいですよ」とお伝えすると、多くの社長が苦笑い。何となく気づいてはいるけど、行動に移しきれていない。

 

では、どうすればいいのか。

大きな改革ではなく、小さな行動を一つ変える。内面を変えようとすると行き詰まりますが、行動は変えられます。

 

結局、素直に行動できるかどうか。
人の内面はそんなに簡単に変わらない。むしろ、行動が先で、内面は後からついてきます。行動が成果を生み、成果が自信になり、自信が内面を変える。この順番でしか変化は起きません。変化の順番はいつも、「行動 → 成果 → 自信 → 内面の変化」です。

 

その一歩を後押しするうえで、特に効果があるのが、「いつまでに何をするか」を外部に宣言することです。

 

たとえば、「来月末までに10件の顧客訪問をする」「今期は自分の担当業務を一つ手放す」などです。行動と期限を具体的にして誰かに伝えると、一貫性の法則が働き、不思議なほど動きやすくなります。外に向けた宣言は、自分にとっての“約束”になり、流されにくくなるのです。

 

小さな行動でも、会社には確かな変化が起きます。

社長が動けば、社員も動きやすくなる。顧客との関係も変わり、外部の見方も前向きになります。何より、社長自身の視野が広がり、次の一歩が踏み出しやすくなります。

 

社長の仕事は社外にある。

まずは一つ、行動を変えてみる。その一歩が、会社の未来を確かに動かし始めます。

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