
「うまくいく企業」と「うまくいかない企業」。
どちらになるかは「地味な型」ができるかどうかで決まります。
中小企業診断士としての仕事柄、経営改善の現場に立つことが多くあります。近年は常に4~5社の事業者様のご支援に入っている状況です。関わる業種で言えば、医療・介護系が増えている印象があります。
経営改善が必要なくらいですから、当然経営がうまくいっていない事業者となります。経営がうまくいっていないと言っても、さまざまな状態があります。
創業間もない企業で、早々に資金繰りが悪化したケース。長年に渡る赤字でリスケ対応が続いているケース。コロナ禍によって一気に財務状況が悪化し、資金ショートが目前のケース。
本当に多様なケースが存在し、一つとして同じ状況はありません。つまり、セオリーは通用しない。すべてがオーダーメイドのご支援となります。
「成功はアート」「失敗はサイエンス」という言葉があります。経営改善の現場ではまさにこの言葉が証明される場面が非常に多い。
アートとは規則性がなく、再現不可能で、その人ならではの選択眼やコーディネート力、間の取り方などで構成されます。つまるところ「センス」。サイエンスは規則性があり、誰でも再現可能な型で、科学的なルールといえるもの。いわば「スキル」。
うまくいっていない企業の共通点はこの「スキル」の部分ができていないことです。しかもスキル(型)ができていないのに自己流のセンスで無理やり押し通そうとする。
自己流は事故流という通り、大半の場合で失敗します。
では経営のスキル・型とは何か。何にも面白くない地味なことの寄せ集めです。基本としては日報を書く。資金繰り表をつける。行動計画を立てる。定期的な進捗確認をする。
マーケティング面では、自社の強み(セールスポイント)を言語化する。定期的な顧客接点を持つ。お礼状を書く。顧客や取引先情報を整理する。HPやSNSを定期更新する。
以上のことは基本的な型ですが、うまくいっていない企業はその多くを、もしくは何もやっていない。やれば必ず結果に表れるにもかかわらずです。逆に継続的にうまくいっている企業はもれなくやっている。
なぜやらないのか。一言でいえば「面倒くさい」からです。効果が目に見えない。時間と労力がもったいない。そもそもやりたくない。表面的な言い訳としては「忙しくて時間がない」。
経営は積み重ねであり、一発逆転ホームランはありません。自己流のやり方ではほぼ必ず失敗し、仮にうまくいっても再現性はありません。それどころか副作用でより状況は悪化する可能性が高い。
個人的に、経営におけるスキルとセンスの重要度の割合はスキル2:センス8と考えています。つまり経営にはセンスが圧倒的に影響を与える。
ただし、2割のスキル・型を徹底したうえでの話です。型があるからこそセンスが十分に発揮できる。2割すらできていなければ、成功はおぼつかない。先人が残した2割の「型」を実践したうえで、自らのセンスを活用する。まさに「守破離」の精神です。
スキルが土台でセンスは伸び代。
まずは今日ご紹介した「スキル・型」を徹底的に実践しましょう。徹底的とは、「100%やる」という意味です。神は細部に宿る。センスを磨くのはその後です。

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