ニュースの論点No.634 大学生は減っている?

 「バイト探しは『タイパ』ワーク いい時給より通いやすさ」202349日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「新型コロナウイルス禍を経て、学生のアルバイト選びに変化が起きている。時給よりも通勤時間や勤務場所を重視するようになった」としています。

 

 オンライン生活が続いた結果、移動が億劫(移動時間は無駄)になったことも一因となり、自宅近くのコンビニやスーパーが人気のバイト先の人気が上昇しているとのこと。加えて、時給も増加傾向にあることから、高い時給を求めてわざわざ遠方まで行く必要もなくなったことも影響しています。

 

 ちなみにジョブズリサーチセンターのアンケートによれば、重視される項目は「勤務時間帯(60.4%)」「通勤時間(通いやすさ)(57.2%)」「勤務地(56.7%)」の順となっています。通勤時間と勤務地は18年比で10%以上アップ、「給与」は49.5%でほぼ横ばいで、アンケートからも選択基準の変化が裏付けられています。

 

 学生バイトにかなり助けられている店舗経営者の方も多いでしょう。最近では人口(若年層)減少も進んでいることもあり、人手を確保するのが大変…という方も多いのではないでしょうか。

 

 ということで、少し気になったので色々と調べてみます。2022年度の学校基本調査によれば、大学数は「1989499校」→「2022807校」と33年で308校も増えています。そして大学生(学部生)数は「1989192万人」→「2022263万人」で何と71万人!も増えているのです。

 

 さらに細かく見ていくと、18歳人口については「1992204万人」→「2022112万人」で半減と言えるほどの減少数です。しかし大学現役受験生数は「199264万人」→「202258万人」で10%ほどの減少。驚くのは現役入学率で、「199254%」→「202291%」と大学の数が増えたこともあり、ほとんどの受験生が現役で入学しています。

 

 つまり、人口は相当数減少しているものの、大学志願者の割合が増え、受け皿となる大学数も増えたことで大学生の数は想像以上に増えているのです。ちなみに、既卒受験生数(浪人生)は「199227万人」→「20225万人」で22万人減、5分の1になっています。既卒向け予備校業界への打撃は相当なものがあったでしょう。

 

 さて、ここから何が言えるでしょうか。人口で見れば、若年層は大きく減少しています。この点で全業種的に「人手不足」になるのは間違いない一方で、「大学生」という括りでは30年で70万人増えています。ここから、「学生バイト」が重要な役割を果たすような業界では、むしろチャンスが大きいのではないか。こういう疑問が湧いてきます。

 

 昨今はIT隆盛により、業種や職種の幅は増えています。それに伴い旧来の働き方は変わりつつある反面、学生が働きたいと思える職場にすることで、必ず店舗ビジネスにもチャンスは訪れます。

 

 先述のアンケートによれば、「柔軟な働き方」「勤務時間の細分化」「就活支援」が学生バイトを集める際のポイントになるそうです。いずれにしても、自社の強みを生かしつつ、相手にとってのメリットをしっかり提示することは必須です。まずは事実を数字で把握し、現状認識を修正しましょう。

    今週の経営コラムを無料でお届け 無料メールマガジン登録はこちら
    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!

    コメント

    コメントする

    目次