ニュースの論点No.690 値上げをするなら

 「倒産相次ぐラーメン店に立ちはだかる「1000円の壁」 1杯売って手元に残るのは200円以下」1023日、マネーポストWEBはこう題した記事を掲載しました。記事によれば「ラーメン店の倒産増加が、注目を集めている。東京商工リサーチによれば、202318月の全国のラーメン店の倒産件数は28件で、前年同期の3.5倍なった。」としています。

 

 ラーメン業界では小麦をはじめとした食材費、原油価格上昇による光熱費、さらに人件費などコストが軒並みアップし、店舗経営を圧迫しています。もっとも、これはラーメン店だけの問題ではなく、飲食店全体、もっと言えば店舗ビジネスの大半はコストアップの影響を受け、厳しい経営状況を強いられています。

 

 さて、ラーメン業界でよく言われる「1000円の壁」ですが、本当にそんなものが存在するのでしょうか。お客が壁を感じるような、さまざまな要因があるとは思いますが、結局一番大きいのは「マインド」の問題だと思います。

 

 要するに「相場」が頭の中に染みついている。日常食にそこまで出せない。ランチで1000円を超えるのは論外。出せなくはないが、だったら別の何かで代用する。一般的にはこんな価値観が支配的になっているのでしょう。

 

 ただ、それでも1000円を超えるラーメン店は珍しいものではなく、高級ラーメン店も存在しています。結局、誰に対して、どのような商品を、どんな価格で、どのように提供するのか。そこが明確になっていなければ、ラーメン屋であろうが、そば屋であろうがうまくいくはずもありません。

 

 いずれにしても、今のコストアップは誰に対しても等しく襲い掛かかってくる脅威です。つまり皆同じ条件。経営(経営者)の良し悪しがはっきりと見える状況なのです。厳しい話をすれば、コストアップは言い訳にすらならない。

 

 「1000円の壁」は実際にあるのかもしれませんが、だからと言って手をこまねいていては、記事にあるように倒産、あるいは廃業を選択せざるを得ない。

 

 皆さんだったらどうするでしょうか。まさに今、ラーメン屋を経営している方はどんな打開策を考え、実践しているでしょうか。

 

 ラーメン業界に関して、今後は単価が500円、1000円、1500円の三極化すると言われています。当然単価によって客層は異なり、求めるクオリティも変わります。商品だけではなく、店舗体験すべてについて、その体験価値を設計しなければなりません。

 

 コストアップに伴う値上げはやむを得ない反面、店舗とお客双方にとって前向きではない打ち手です。この機会に一度、店舗で提供する体験価値(商品、店舗、サービス)を見直してみてはいかがでしょうか。今後の成長には、今の延長線上ではない非連続の事業再構築が求められています。

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