
「『chocoZAP』の会員数が、わずか1年5カ月で国内初の100万人達成」2023年11月14日、ORICON NEWSはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、当業態は「当初の計画を上回るペースで増加し続け、2023年11月14日時点の会員数は101.0万人となり、~中略~全国40都道府県に1160店舗を展開している」としています。
chocoZAP(月額2980円で24時間365日利用可能な完全無人型コンビニジム)は2022年7月にスタートし、冒頭のように一気に会員数を増やしています。今後は既存サービスに加え、セルフホワイトニングやセルフネイル、ワークスペース、ちょこカフェなどの新サービスにも注力すると発表。
一方、同日に発表されたライザップ4~9月期連結決算では、最終損益が75億円の赤字(前年は17億円の赤字)となっています。10~3月を合わせた通期となる24年3月期の予想損益は90億円の赤字を見込んでいます。
赤字の直接的な要因はchocoZAP事業拡大のための投資です。決算短信でもこの2年は先行投資期間として位置付け、出店・広告・販促投資を計画的、積極的に行っていることが明記されています。
ちなみにライザップの業績推移を見てみると、2006年上場後から順調に売り上げを伸ばし、2019年には売上が2097億でピークを迎えます。しかしながら同年の最終損益は195億の赤字という結果でした(上場期の08、09年を除いて初の赤字)。その後、売上は右肩下がりとなり、直近の2023年は売上1605億、最終損益は126億の赤字で着地しました。
ライザップは積極的なM&Aで最大85社の企業を傘下に収め急成長を果たしましたが、あまりに急激かつ多数のM&Aが災いし、買収した企業の立て直しがうまくいかなくなります。結局、大半の企業を手離すことになり、現在グループ会社は19社(HP掲載分)となっています。
chocoZAPに話を戻します。当業態はフランチャイズ展開せず、すべて直営店舗で拡大しています。これだけの店舗数だと相当リスクが高そうですが、なぜ直接自社で運営するのでしょうか。
chocoZAPは店舗を開業する際、内装工事や機器類などの初期投資、加えて月々の運営費として賃料・光熱費などがかかります。ただ無人店舗なので「人」や「スキル・ノウハウ」が不要です。つまり採用育成等の費用がほぼかからず、直営でも十分収益性が高いビジネスモデルと言えるのです。
一方でそれが首を絞めることにもなりかねません。人件費がかからないとはいえ、その他の固定費は1160店舗分が毎月かかります。もちろん、採算が取れる見込みで出店していると思われますが、現在の動きが逆回転を始めた場合、一気に損失が膨らむ恐れがあります。
今は市場を一気に取りに行くためのハイペースな出店攻勢だと考えられます。ですが、すでに競合他社も似たような業態を展開しています。そもそもマネしやすい業態なので、おそらく近い将来、市場は飽和してしまうでしょう。
一気に伸びたものは一気に縮みます。これまでもさまざまな商品・サービスが同じ道を辿りました。マネしやすい物事は特にそれが顕著に表れます。
さて、皆さんならどう戦略を立てるでしょうか。まずは自分事として、chocoZAPの強みを考えてみましょう。そこから発想が広がっていきます。

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