
「スイーツ無人販売所『24』わずか1年で75店に 運営して分かってきたことは?」2024年1月25日、ITmediaビジネスONLINEはこう題した記事を掲載しました。
記事によれば、「2023年1月に1号店として広島市に五日市本店がオープンし、24年1月現在は全国に75店舗まで拡大。フランチャイズのビジネスモデルで、かなりハイペースで出店している」としています。
商品は基本的に本部がセレクトし、日本全国の幅広いスイーツを展開しています。客層は20後半~30代女性がメインで、客単価は1300円ほど。支払方法は現金、電子マネー対応となっています。
ちなみに、フランチャイズビジネスを紹介するFCチャンネルのHPによれば、初期投資は以下の金額が提示されています。
【スイーツ無人販売所24初期投資額】
加盟金:1,540,000円
物件取得費:500,000円
内外装費:650,000円
設備機器/備品:975,000円
初期在庫:450,000円
広告宣伝費:400,000円
さて、皆さん。出店の話があったらやってみたいと思いますか? 上記の初期投資の他、運営費として家賃や光熱費、広告宣伝費などがかかってきます。人件費がかからないので固定費はそう重くならないでしょう。ぜひ皆さん自身でシミュレーションしてみてください。
翻って、無人店舗はコロナ禍以降で店舗数や商品カテゴリーの幅も増えています。餃子、肉、ジム、書店‥ コロナ禍や人手不足、技術の進展などの要因で変化圧が高まり、新たな業態が生まれやすくなっているのです。
無人店舗はその性質上、「人的サービス」による差別化はできません。基本的には「立地」や「品揃え」で勝負する業態になります。地域の誰よりも早く出店していい場所を取り、先行者利益を追求する。
ただし、コンビニのように複合的なサービスを提供できない単品業態であれば、すぐマネをされるうえ飽きられるのも早い。つまり長続きしない。大半の無人店舗はすぐに市場が飽和し、一気に店舗数が減っていきます。
今回のスイーツに関しても高い確率で同様の道を辿るでしょう。たとえ自社で出店数をコントロールしても、流行っていれば他社がすぐにマネをしてきます。そうなる前に市場を取りに行こうと出店数を増やしても結果は同じです。むしろ傷は大きくなる。
そもそも、単純に箱(店舗)と商品を用意するだけで上手くいくほど商売は甘くありません。現場で常にニーズをくみ取り、新陳代謝をしなければお客はそっぽを向きます。
特に小売店は、「売る力」があるからこそ小売店として商売が成り立ちます。フランチャイザーが提供するのはあくまで「仕組み」であり、人任せで売る力がないフランチャイジーでは失敗の可能性が非常に高い。
新規事業への取り組みは積極的に行っていきたい一方で、安易なフランチャイズへの加入はあまりお勧めできません。事前のシミュレーションを綿密に行い、撤退基準を設けたうえで参入を決めていきましょう。

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