ニュースの論点No.732 ピンチをチャンスに

「セブン、『400円以下』弁当の拡充が意味する課題」2024319日、東洋経済オンラインはこう題した記事を掲載しました。

 

 記事によれば、「以前は税込み500円以上の商品がほとんどを占めていたが、直近では~中略~370(税込み399)の弁当の存在感が高まっている」としています。

 

 物価の高騰により消費者の節約志向が高まったことで、スーパーやドラッグストアなど安価な業態への流出、あるいはコンビニ同士でお客の取り合いが激化したことなどが背景としてあります。

 

 日本の平均給与は1992年が425万、2022年は458万と微増(民間給与実態調査)ですが、物価はこの30年で約2割上昇しています(ニッセイ基礎研究所)。直近ではさらに上昇し、体感としてはそれ以上の負担感があるのではないでしょうか。

 

 こんな状況ではなかなか財布のひもは緩まず、特に日常使うお金については「より安いものを」という発想になってしまうのも無理はありません。

 

 一方、訪日外国人観光客は一気に戻りつつあり、観光客向け商品・サービスのバブル的高価格が話題になっています。

 

 北海道のニセコのスキー場やホテルなどでは価格が軒並み高騰していますが、12060万の部屋でも予約で満室。キッチンカーのえび天そば3500円、チキンカレー3000円、かつ丼3000円、黒毛和牛うな丼5000円。それでも売れる。働き手の給与も上がり、時給は清掃員で2200円になることも。

 

 話は若干逸れますが、最近ではオーストラリアのワーキングホリデー(海外で就業体験できる。ワーホリ)に日本の若者が殺到しているそうです。農場や食肉工場での作業が主な仕事ですが、月給にすれば50万程の収入に。いわゆる「出稼ぎ」が目的の人も少なくありません。

 

 私の学生時代もワーホリに行く人はいましたが、お金を稼ぐというよりはモラトリアム的な使い方で、自分の将来や自分を見つめなおす時間に使っているようなイメージでした。氷河期世代で就職浪人もたくさんいた時代ではありましたが、今はリアルな「出稼ぎ」として利用されていると知り、実に隔世の感があります。

 

 それだけ日本の円が、つまり日本の国力が弱くなっているのかもしれません。この30年、成長産業に投資せず、現役世代の収入は医療や年金に吸い取られ、日本の将来に寄与しているとは思えない時期が続きました。これまで先延ばしにしてきたツケが今表面化しているのでしょう。

 

 ちなみに医療や年金、福祉を合算した社会保障給付は90年が47兆円、23年が134兆円とその差87兆円、3倍近くにもなっています。GDP90462兆円、23591兆円と伸びてはいますが、社会保障給付をカバーできるほどではありません。

 

 弁当からGDPの話まで飛びましたが、つまるところ日本は老化しつつあります。平均年齢は48.6歳で、世界2位の高齢国家です(1位はモナコで55.4歳、3位ドイツ47.8歳。‥アメリカ合衆国38.1歳、中国37.4歳)。

 

 人口減少・少子化・高齢化で、国内の消費量は確実に減っていきます。要するに売上が減る。一人一人の収入も減る可能性が高い。その中で医療や年金などの支出は増える。どう見てもピンチな感じがしますが、一方でチャンスもあると思います。

 

 これから増えるニーズは何なのか。外国人の需要はその一例かもしれません。外国人だからと食わず嫌いになっている場合ではありません。自分の価値観を見直し、何に対しても食らいつくような、貪欲な姿勢が求められています。

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