
「『3年以内の閉店』が多い飲食業態 『ラーメン』『カフェ』を抑えた1位は?」2024年3月28日、ITmediaビジネスONLINEはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「3年以内の閉店が最も多い業態は『お弁当・惣菜・デリ』だった」としています。
また、「お弁当・惣菜・デリ」「そば・うどん」「ラーメン」「カフェ」業態は1年で3割以上、3年以内に6割以上が閉店しているとのこと。
私は飲食店の経営支援にも携わっていますが、数字的には「そんなところかな‥」という印象です。
いずれも日常的によく見る業態で、誰でも比較的簡単に参入できます。要するに「何となくやってみる」ことができてしまう業態。創業予定者のお話を聞いてみると、大半の人は簡単に考えており見通しも非常に甘い。
もちろん、「やってみないとわからない」というのは一面の事実ですが、あまりに行き当たりばったりで出たとこ勝負な起業では、やる前から失敗することが見えてしまいます。
また、今回挙げてある業態はいずれも客単価がそう高くありません。1000~2000円もあれば良い方でしょう。利益を出すためにどれくらいの売上が必要で、そのためにどれくらいの客数を集めないといけないのか。支援に入り現実的な数字に落とし込むと「ちょっと無理かも…」と微妙な空気になることもあります。
シミュレーションもろくにせず、希望的観測をもとにドンブリ経営で始めてしまうとすぐに行き詰ります。そもそも、各メニューの粗利率が不明なことも多く、売れば売るほど赤字に‥と笑えない状態になっていることも。
飲食店経営は簡単なようで非常に難しく、誰でもできるものではありません。それは人気のフランチャイズに加盟しても同様。他人の上手くいった方法を使えば誰でも簡単に成功できる‥のは幻想です。
翻って、閉店を余儀なくされる直接的な理由はお金が無くなるからです。創業時に準備した自己資金と借入金が枯渇してしまい、仕入ができず給料も払えなくなる。創業後1年以上赤字が続くと業種を問わず継続するのは困難になります。
赤字が続く事業者に銀行はお金を貸しません。追加融資も大半の場合断られます。あと半年あれば軌道に乗るのに‥と資金難から、志半ばで諦める事業者も相当数見受けられます。
事業継続のためには、創業時から複数の資金調達先を確保することが肝心です。公庫以外にも地元の銀行や信金などと取引実績をつくっておく。そうすると万が一の時に助けてくれる可能性が高まります。
「利益を出す仕組みづくり」と同等に「資金繰り」は経営者の最も重要な仕事のひとつです。ぜひ、今からでも複数の資金調達先を開拓し、本業に専念できる環境を整えましょう。

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