ニュースの論点No.746 AIにできないこと

 「食品値引き『店員の勘』から『AI』でロス減」202457日、毎日新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「スーパーやコンビニで価格設定などに人工知能(AI)を活用する動きが広まっている」としています。

 

 イオンリテールは生鮮食品の値引きにAIを導入し、過去の販売実績や天候、客数などの条件をもとに需要を予測し、最適な価格設定や割引などを行っていくとのこと。またローソンもこれまで担当者の勘に頼っていた値引きをAIに任せていくそうです。

 

 いずれも実証実験でロス率は数%~1割ほど下がっています。AIの本格的な導入により利益増、業務負担軽減、食品廃棄問題の解決にもつながりますので、この流れは他社も巻き込み、さらに勢いを増していくでしょう。

 

 さて、近年はAIの存在感が増しています。一般の人が日常的に使えるアプリも一気に増加し、文章や画像、動画などが量産されつつあります。皆さんも一度は利用されたことがあると思います。

 

 AIは登場した当初こそ生成する文章や画像の精度の粗さが目立ちましたが、最近ではかなり改善され、一部では人(プロ)と見分けがつかないレベルに達しています。

 

 基本的にAIは過去のデータから学習して推論する仕組みになっており、そのデータが多ければ多いほどより精度が高まると言われています。各社が持つデータがどれほど積み上げられているのか、また外部からの情報をどれだけ収集できるのかで精度には差が出てきそうです。

 

 翻って、AIが過去の学習から導き出した推論について、最終的に使うかどうか判断するのは人です。そのままの形で使う場合もあるかもしれませんが、最終的な判断は人に依ることが多いでしょう。

 

 将来的にはAIが情報収集から分析、判断まで一貫して行う仕組みになるかもしれませんが、今はまだ人間が介在する余地が残されています。この点、価格設定など、正解的なものがある場合はAIとの相性もよく、自動化するのは早いと思われます。

 

 一方で正解がない、たとえば目指すべき方向性を決めることや倫理的問題が大きく影響するような場面では、人間による最終的な判断が必須です。

 

 つまりその人が持つ価値観を基に判断しなければならない。経営者の価値観はミッション、ビジョン、バリューなどの経営理念に集約されています。

 

 いくら技術が進展したとしても、AIがあなたの価値観を生成することはできません。AIに「機械的な学習」は出来ても、価値観を醸成する「生きた経験」はできない。喜怒哀楽の積み重ねが生きた経験であり、その結晶が価値観の礎となります。

 

 今後、AIにできることが一気に増えていくでしょう。それにともない人間がすべきことも明確になっていくと考えられます。経営でその軸になるのは経営理念です。あなたの理念は明確になっているでしょうか。

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